パトラッシュ、僕はもう疲れたよ…

IMG_9887.jpg
ブリュッセルの次に向かったのは、ベルギー第2の都市アントワープ。日本人にとっては、ネロとパトラッシュでおなじみ、アニメ「フランダースの犬」の物語の舞台として有名な町だ。そんなアントワープで、少年ネロが永遠の眠りについた「ノートルダム大聖堂」を訪れた。(*写真はルーベンスの「キリストの降架」)
IMG_9599.JPG
ブリュッセルからアントワープまでは列車で約40分。料金は6.9€だった。
IMG_9617.JPG
立派な外観のアントワープ中央駅。
IMG_0232.JPG
アントワープでは「Alias Youth Hotel」というユースホステルに宿泊。4人部屋ドミトリー(Wi-Fi、朝食付き)で一泊19.5€。到着した日は夜も遅かったので、翌朝から町を散策開始。
IMG_0217.JPG
アントワープは、ダイヤモンドの研磨と取引が世界一の町でもある。それ故、町にはダイヤモンドのお店が数多く立ち並んでいる。
IMG_0225.JPG
昨夜も気になっていたんだが、町のいたるところで黒のスーツに黒のシルクハットを着用した正統派ユダヤ人を多く見かける。こんなにユダヤ人を見たのはエルサレム以来だ。彼らはダイヤモンドとも深い関わりがあるようで、ダイヤモンドを研磨する円盤を発明した人がベルギー出身のユダヤ人だったため、この町のダイヤモンドの取引や研磨・カットは全てユダヤ人の手に握られているそうだ。
IMG_0105.JPG
町の中心にあるフルン広場。奥に見えるのがノートルダム大聖堂。
IMG_0082.JPG
フルン広場に立つ、画家ルーベンスの銅像。
IMG_0136.JPG
「フランダースの犬」において、主人公のネロが見たがっていたノートルダム大聖堂の絵画である「キリストの昇架」と「キリストの降架」の作者はルーベンスで、ネロが祈りを捧げていたノートルダム大聖堂のマリアも、ルーベンスが描いた「聖母被昇天」である。(*Wikipediaから抜粋)
IMG_9646.JPG
教会の前には、トヨタが寄贈したフランダースの犬のベンチがある。外国人も撮影してます。
IMG_9656.JPG
ベンチには「フランダースの犬 − この物語は悲しみの奥底から見出す事の出来る本当の希望と友情であり、永遠に語り継がれる私達の宝物なのです。」と書かれている。
IMG_0159.JPG
ベンチの中央に描かれているネロとパトラッシュ。
IMG_9680.JPG
ノートルダム大聖堂は1351年から約170年もの歳月をかけて建てられたベルギー最大のゴシック教会。ネロ少年はこの教会で天に召されるのです。
IMG_9673.JPG
門の入口には並ぶ美しい彫刻たちがお出迎え。それでは中へ。
IMG_9684.JPG
入場料は5€。ちゃんと日本語で書かれたガイドパンフレットも用意してあります。
IMG_9695.JPG
純白が基調の美しい聖堂内。
IMG_9880.JPG
天井に吊るされた巨大な十字架。
IMG_9791.JPG
光が差し込んだ美しいステンドグラス。
IMG_9766.JPG
火が灯ったロウソク。
IMG_9976.JPG
聖堂内では、ルーベンスをはじめとした多くの画家たちの宗教画を拝見することができる。教会というより、どちらかというと美術館のような感じだ。
IMG_9731.JPG
この絵がルーベンス作の「キリストの昇架」。ゴルゴダの丘にて、十字架を背負ったキリストが吊るし上げられる様子を描いた作品です。
IMG_9807.JPG
そしてこの絵がルーベンス作「聖母被昇天」。ネロ少年が祈りを捧げていた絵です。
IMG_9717.JPG
ところで、「フランダースの犬」の最終回の内容を覚えているでしょうか? まずは、ネロの住む村の村長の風車が火事になってしまうところから。放火の疑いがかけられたネロ(もちろん潔白)は、ミルク運びの仕事を失い、家賃も払えず家を追い出されてしまいます。ネロは絵画コンクールでの賞金に望みをかけますが、残念ながら落選してしまいます。
IMG_9793.JPG
ところが、審査員の一人が、えらくネロの絵を気に入り、ルーベンスの後を継ぐ才能を秘めているとまで言って、ネロを養子にしたいと、村長の家まで申し出にやってくるのです。村長ショック。村のみんな総出で吹雪の中、ネロの捜索をしますが、時すでに遅し。
IMG_9899.JPG
ネロは家を明け渡し、吹雪の中ノートルダム大聖堂に向かいます。そこで、いつもカーテンに隠されていたルーベンスの「キリストの降架」(*写真)を初めて見ることができ、満足したネロは、「僕はもう疲れたよ…」とパトラッシュに告げ、天へと召されてゆくのです。
IMG_0019.JPG
昔、うちの母親がフランダースの犬の最終回を見て号泣していたのを鮮明に覚えている。当時、自分は8歳か9歳だったと思うが泣きはしなかった。でも今見たらきっと泣くだろうな…
「パトラッシュ、僕も旅に疲れたよ…」

Facebook Comment

コメントを残す

↑記事のTOPへ

Return to Top ▲Return to Top ▲